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 このブログを始めたとき、アドバイスをしてくださった方に言われたのは「まず自分が楽しいと思って書くことが大事」でした。
「こう言うことを書かなきゃ」とか「パン屋のブログはこうあるべき」ということにとらわれすぎて、最近少し忘れていたような気がします。ここは少し兜の緒を”引き締め”…もとい兜の緒を少し”緩めて”心機一転試みたいと思います。


 僕は音楽が好きです。クラシックもポップスも好きですが、今回はクラシックの話をしたいと思います。

 興味ないですか?ぼくも昔は興味ありませんでした(笑)「クラシックなんて長いし眠くなるし、何を伝えたいのかさっぱりわからないし、だいっきらい!」音楽の授業で鑑賞があるたびにそう思っていたものです。
 そんな僕が今は自分から進んでクラシックの演奏会を聴きに行きます。「オペラが観たいなぁ」なんておもったりもします。
 いったいどうなっているんでしょう?自分でも驚きですが、たしかにクラシックのことが「嫌い」から「まぁまぁ好きかな」に変わったのです。「大好き」とまではいきませんが、少なくとも以前のようにクラシックの番組を見ていて苦痛であるということはなくなってきました。

 そんな大転換が起こった理由を知りたくありませんか?
 

 僕が大嫌いなクラシック好きになった理由。まず、結論から言うとそれは「舞台裏を知ったから」です。
 舞台裏と聞くとなんだかすごい感じがしますが、要するに僕は「聴く人」から「やる人」に変わったということです。
 具体的には、クラシックの楽器を演奏するようになったのです。

 僕が演奏するようになったのは“ファゴット”という楽器でした。聴き馴染みがないかと思いますし、目にしたこともほとんど無いと思います。この楽器は基本的には“笛”の一種で、木製の本体に息を吹きこんで鳴らす“木管楽器”です。非常に大きく130センチほどの長さがあり、演奏する姿は巨大なポッキーか煙突を抱えているように見えます。
クラシックのオーケストラ以外ではめったにお目にかかることのできないめずらしいこの楽器。けれど僕はこの楽器の音を知っていました。あなたももしかしたら知っているかも知れません。とぼけた朴訥した音色は、特に一昔のアニメでBGMとしてよく使われていました。
そして、その頃ハマっていたある番組の中でも、BGMとしてファゴットの音色の曲が使われていたのです。それがラヴェルの「ボレロ」という曲です。クラシックにそれほど興味がない人も、この曲をテレビで耳にしたことは多いと思います。かの「のだめカンタービレ」でも演奏されていましたし…。
この中でソロをしている楽器の一つにファゴットがあります。ボレロの印象の中で特にその柔らかな音色が耳について、それが“ファゴット”という名前であると知ったとき、柄にもなく僕は「いつか触ってみたいなぁ」と思いました。

その後思いがけずこの楽器を吹かせてもらえる機会にめぐり合い、深く関わるようになるのですが…。それが「舞台裏」です。
楽器を通して、僕は様々な曲を演奏しました。ファゴットはもともとオーケストラが成立した当時からある、歴史の長い楽器です。(ピアノが出来るよりずっと以前からファゴットはありました)ですから特にクラシックの曲を演奏するときに活躍するのです。僕も当然自分の楽器が活躍する曲のほうが好きでしたから、自然に興味の対象はクラシックの曲へと移っていきました。同時に、一緒に演奏する様々な楽器やその歴史、演奏する曲の作曲家や時代背景にまで興味が及ぶのにそれほど時間はかかりませんでした。

嫌い⇒ちょっとしたきっかけ⇒触れてみたい⇒実際にやってみる⇒興味がわく⇒いいじゃん!…というながれがあるのがおわかりいただけましたか?
つまり、「舞台裏」をのぞき「舞台裏」で活動することで、興味のない分野に興味を持てたのです。そしてそんな「舞台裏」に飛び込むきっかけは、この場合「楽器」でした。クラシック音楽そのものには興味はないけれど、単純に音や曲には関心がある…という事。さらにさかのぼれば音や曲への関心は、その曲が印象的に使われていた番組への関心が出発点です。好きな番組に使われていた、好きな曲が、嫌いなクラシック音楽に興味をもつ思いがけない入り口になったのです。
「きっかけ」は実にささいなことであり、結果とは全く関係ないこともあります。けれど、概して言えることはそこにはかならず興味・関心を抱く対象があるということです。逆に言うと、嫌なものも見方を変えて自分の都合のいいようにとらえると、案外面白そうな部分がどこかにあるものです。そういう意味でいつもいろいろなものに好奇心を持って付き合っていると、いつの間にか価値観が変わっていたりするかもしれません。
 
 パン屋さんで働くまで、毎朝食べる角食にこんなたくさんの手間と工夫がかけられているとは知りませんでした。それまで特に興味のなかった製パン業。けれど、ちょっとしたきっかけでその現場=舞台裏に足を踏み入れ、最近は感心させられることしきりです。粉と水と酵母と…各種材料がミキシングされてから、焼き上がるまで、これほど多くの工程と様々な技術が投じられているとは…。そしてそのひとつひとつが職人的な経験によって支えられているのです。音符で構成されるのか、小麦粉でつくられるのか、その組成は違っても、音楽の美しさとパンの美味しさとは同じように、地道な努力と経験に裏打ちされた技術と、熱いプロ意識によって織り成された精緻さの結果だと感じます。そして、そんな作業に及ばずながら携われることに、ちょっぴりだけ誇りを感じるのです。

 関心の対象になかった製パン業に、こうして新たな価値観をもたらしてくれたちょっとしたきっかけを、ふと思い出してみたハル・ユタカでした。
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[ 2011-04-27 (Wed) 18:37 ]   Comment(0) / TrackBack(0)
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